
後置修飾ってなに?



簡単に言うと、名詞の後ろに説明をつけることだよ!
英語を勉強していて後置修飾って一度は聞いたことあると思います。
ネイティブはこの後置修飾を多用して文を作りますが、実は日本人がすごく苦手な表現になります。というのも、後置修飾は日本語には存在しない表現だからです。
日本語では「机の上の本」「大切なもの」のように、名詞を修飾する言葉は前に置くのが基本です。
しかし、英語では「the book on the table」「something important」のように、名詞の後ろに修飾語を置くパターンが存在します。
では、どのようなパターンで後置修飾となるのでしょうか。
ふつうは「a red apple」のように名詞は前から修飾するので、どのような場合に後置修飾になるのかはっきりさせたいですよね。
また似た表現に関係代名詞を使った言い方がありますが、何が違うのでしょうか。この記事を通して一緒に名詞の修飾方法についてマスターしていきましょう。
英語の後置修飾とは?
- 英語における後置修飾の基本
- 前置修飾との違い
英語における後置修飾の基本
後置修飾とは、その名の通り名詞の「後ろ」に位置し、その名詞を詳しく説明する修飾語のことです。具体的には、形容詞句や前置詞句、関係詞節などが名詞の後ろに続く形で使われます。
例えば、”the book on the table” という表現を見てみましょう。”on the table” が “the book” を修飾しています。
日本語に直すと「テーブルの上の本」となりますが、日本語では修飾語が名詞の前に来るのに対し、英語では後ろに来ているのがわかりますね。



日本語と英語で順番が逆なんだね…
後置修飾は、英語において名詞をより具体的に説明するために欠かせない要素です。
英語では、短い形容詞であれば名詞の前に置く前置修飾が使われますが、長い修飾語や詳細な情報を加える場合は後置修飾が一般的です。
前置修飾との違い
前置修飾は、名詞の「前」に修飾語を置く方法で、主に単語レベルの形容詞が使われます。
例えば、”a red apple” の “red” が前置修飾です。この場合、”red” は単語1つで名詞 “apple” を修飾しています。
一方、後置修飾は名詞の後ろに修飾語を置き、より複雑な情報を付加します。例えば、”an apple picked yesterday” では、”picked yesterday” が “apple” を修飾しています。
このように、動詞や前置詞を含むフレーズや節が修飾語となる場合、後置修飾が使われます。
前置修飾と後置修飾の使い分けは、自然な文を作る上で必須です。というのも、長い修飾語を名詞の前に置くと、読み手にとってわかりにくくなる場合があります。
そのため、英語では修飾語の長さや構造に応じて、前置と後置を使い分けているのです。
2語以上の形容詞句は後置修飾
後置修飾になるパターンの一つは修飾部分が2語以上の形容詞句の場合で、特に現在分詞と過去分詞を使った表現があります。
この2つのパターンについてわかりやすく説明していきますので、一緒に見ていきましょう。
- 現在分詞による後置修飾
- 過去分詞による後置修飾
現在分詞による後置修飾
現在分詞を使った後置修飾は、名詞が「何をしているのか」を説明する際に使われます。
例えば、”the girl singing on the stage” は「ステージで歌っている女の子」という意味になります。
“singing on the stage” が “the girl” を修飾しており、彼女が今まさにステージで歌っていることを示しています。
現在分詞(動詞のing形)を使うことで、進行中の動作や状態を表現できます。これにより、文章に動的なイメージを加えることができますね。
この現在分詞の後置修飾が使われた文の例には以下のようなものがあります。
The boy running in the park is my brother.
(公園で走っている少年は私の弟です)
The students discussing the project in the classroom seem excited.
(教室でプロジェクトについて議論している生徒たちは興奮しているようだ)
過去分詞による後置修飾
過去分詞を使った後置修飾は、名詞が「どんな状態にあるのか」や「何をされたのか」を説明する際に使われます。
例えば、”the car damaged in the accident” は「その事故で損傷を受けた車」という意味になります。
“damaged in the accident” が “the car” を修飾しており、車が事故によって損傷した状態であることを示しています。
過去分詞を使うことで、受動的な状態や完了した動作を簡潔に表現できます。
The house built last year won an architecture award.
(昨年建てられた家は建築賞を受賞しました)
The documents sent by email have not been received yet.
(メールで送られた書類はまだ受け取られていない)
修飾語が1語だが後置修飾するパターン
これまで、修飾句が2語以上の長い場合には後置修飾が一般的であると説明してきましたが、実は修飾語が1語であっても後置修飾が使われる場合があります。
どのようなケースで1語の修飾語が後置となるのかを、わかりやすくパターン化したので順番に紹介していきます。



以下のパターンは
1語でも後置修飾になるよ
- 「-able」や「-ible」で終わる形容詞を使う場合
- 一時的な状況を示す形容詞の場合
- something/anyoneなどの名詞を修飾する場合
「-able」や「-ible」で終わる形容詞を使う場合
availableやpossibleのように「-able」や「-ible」で終わる形容詞は、修飾語が1語であっても後置修飾として使われることが多いです。
このパターンは、名詞の性質や状態を簡潔に説明する際に用いられます。
The seats available are near the front.
(利用可能な座席は前の方にあります)
The only option possible is just waiting.
(唯一可能な選択肢は、ただ待つことです)
「-able」や「-ible」で終わる形容詞の例
「-able」や「-ible」で終わる形容詞の例には以下のようなものがあります。
もちろんすべて覚える必要はありませんが、多くの表現をインプットすることでこのパターンだったら後置修飾という感覚をつかんでもらえればと思います。
単語 | 意味 | 例 |
---|---|---|
available | 利用可能な | the seat available (空いている席) |
possible | 実現可能な | the solution possible (実現可能な解決策) |
suitable | 適した | the candidate suitable (適した候補者) |
acceptable | 受け入れ可能な | the offer acceptable (受け入れ可能な提案) |
visible | 見える | the star visible (見える星) |
responsible | 責任がある | the person responsible (責任がある人) |
flexible | 柔軟な | the schedule flexible (柔軟なスケジュール) |
accessible | 到達可能な | the entrance accessible (到達可能な入り口) |
understandable | 理解できる | the explanation understandable (理解できる説明) |
compatible | 互換性のある | the device compatible (互換性のあるデバイス) |
繰り返しになりますが、これらの形容詞は修飾語が1語である場合でも名詞の後ろに置かれることが多く、具体的な意味を補足する役割を果たします。
一時的な状況を示す形容詞の場合
一時的な状態や状況を示す形容詞も、後置修飾として使われることがあります。例えば、”the students present” は「出席している学生たち」という意味です。
“present” は「出席している」という一時的な状態を表す形容詞で、名詞の後ろに置かれています。
このパターンは、”absent”(欠席している)、”awake”(起きている)、”asleep”(眠っている)などの形容詞でも見られます。
一時的な状態を強調したいときに後置修飾が使われます。
Almost all the students present are participating in the event.
(ほぼ全ての出席している生徒たちがそのイベントに参加しています)
The children asleep look so peaceful.
(眠っている子どもたちはとても穏やかに見えます)
“the children asleep” という表現を初めて聞いたとき、「なんて詩的なんだろう」と感じました。英語ならではの表現ですよね。
一時的な状況を示す形容詞の例
以下は、一時的な状態や状況を表す形容詞の例です。
単語 | 意味 | 例 |
---|---|---|
present | 出席している | the students present (出席している生徒たち) |
absent | 欠席している | the members absent (欠席しているメンバー) |
asleep | 眠っている | the child asleep (眠っている子ども) |
awake | 起きている | the patient awake (起きている患者) |
alive | 生きている | the animal alive (生きている動物) |
alone | 一人でいる | the person alone (一人でいる人) |
something/anyoneなどの名詞を修飾する場合
something や anyone などの単語は、「何か」や「誰か」といった漠然としたものを指す言葉です。
このような単語は、後ろに形容詞を置くことで、その内容を具体的に説明することができます。
これらは専門的には「不定代名詞」と呼ばれますが、あまりピンとこない場合は「漠然としたものや人を指す言葉」と考えるとわかりやすいかもしれません。
Is there anything new in today’s news?
(今日のニュースで何か新しいことはありますか?)
I saw someone interesting at the party.
(パーティーで面白そうな人を見かけました)
Nothing important was discussed in the meeting.
(会議では重要なことは何も話し合われませんでした)
これらの例文では、new, interesting, important といった形容詞が後ろに付くことで、漠然とした言葉が具体的な内容を持つようになっています。
不定代名詞の例
名詞 | 意味 | 例 |
---|---|---|
something | 何か | something new (何か新しいもの) |
someone | 誰か | someone special (特別な誰か) |
anything | 何でも | anything possible (可能なことは何でも) |
anyone | 誰でも | anyone present (出席している誰でも) |
nobody | 誰も~ない | nobody special (特別な人ではない) |
nothing | 何も~ない | nothing important (重要なことは何もない) |
後置修飾と関係代名詞の使い分け
後置修飾に似た表現として、関係代名詞 を使った修飾があります。この2つは文法的に似ているため、混同しがちです。
ここでは、後置修飾と合わせて関係代名詞について復習し、それぞれの使い分けポイントを整理していきます。
- そもそも関係代名詞とは?
- 分詞の後置修飾と関係代名詞の違い
そもそも関係代名詞とは?
関係代名詞は、名詞の後に続く節(主語+述語を含むかたまり) を導き、その名詞を詳しく説明する役割を持ちます。
たとえば、who, which, that などの単語があります。この節は後置修飾と同様に名詞を説明し、情報を追加するために用いられます。
The book that I bought yesterday is very interesting.
(私が昨日買った本はとても面白い)
She is the woman who helped me with my project.
(彼女は私のプロジェクトを手伝ってくれた女性です)
関係代名詞を使うと、主語や目的語が含まれたより複雑な説明を行うことができます。一方で、この構造は文章を少し長くし、読み手にとって重く感じることもあります。
分詞の後置修飾と関係代名詞の違い
後置修飾と関係代名詞の違いは、主に以下の2つの点があります。
- 構造の違い
- ニュアンスの違い
① 構造の違い
関係代名詞 = 名詞 + 関係代名詞 + 主語 + 動詞
(例: The man who is running)
後置修飾 = 名詞 + 分詞句など
(例: The man running)
分詞の後置修飾では、主語や関係代名詞を省略して、簡潔に情報を伝える構造になります。
② ニュアンスの違い
関係代名詞 = 修飾部分の情報が重要であることを強調
The students who are studying in the library are my friends.
(図書館で勉強している生徒たちは私の友人です。)
→ 図書館で勉強しているという情報が重要であることを強調。
後置修飾 = 追加情報としてさらっと伝えるニュアンス
The students studying in the library are my friends.
(図書館で勉強している生徒たちは私の友人です。)
→ より簡潔で、背景情報として伝えるニュアンス。
まとめ:後置修飾を使いこなして英語力を高めよう!



この記事のポイントをまとめるよ!
- 前置修飾と後置修飾の違い
– 前置修飾:a red apple → 短い形容詞は名詞の前
– 後置修飾:the book on the table → 長い修飾語は名詞の後ろ - 後置修飾が使われるケース
① 分詞(現在分詞・過去分詞)を使い2語以上で修飾
→ The girl singing on the stage(ステージで歌っている女の子)
②「-able」「-ible」で終わる形容詞
→ The seats available(空いている席)
③ 一時的な状態を示す形容詞
→ The students present(出席している生徒たち)
④ something / anyone などを修飾する場合
→ Something new(何か新しいもの) - 関係代名詞との違い
– 関係代名詞:The man who is running(走っている男性) → 「走っている」を強調
– 後置修飾:The man running(走っている男性) → 簡潔な表現
今回は、英語の後置修飾について詳しく解説しました。後置修飾は、名詞を後ろから詳しく説明することで、情報を付け加える
日本語では名詞を前から修飾するのが一般的なため、日本人にとっては慣れない語順ですが、英語ではこの構造が非常に頻繁に使われます。
最初は難しく感じるかもしれませんが、例文をたくさん読んで、少しずつこの表現を定着させていきましょう。
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