5文型がよくわからない、大事なの?
英語を勉強していると、こんな疑問を抱くことはありませんか?
学校で習った記憶はあるけれど、「なんとなく面倒そう」「実際の英会話で使うの?」と思ってスルーしてしまった人も多いかもしれません。でも実は、この5文型こそが 英語を“話す・聞く・理解する”ための土台 なのです。

文型が分からないと英語は話せない!
英語は語順が命の言語。ネイティブの自然な会話も、複雑そうに聞こえて実はこの5つの型に収まっています。つまり文型がわかると、
- 英文の意味がスッとつかめる
- 話すときの語順に迷わなくなる
- 長い英文も分解して理解できる
といった「本当の英語力」が伸びていきます。
この記事では、英語の5文型について各文型の特徴とイメージ、見分けるコツ、および会話での活かし方をやさしく整理して解説します。文型の知識を、「テストのため」から「英語が話せる力」へと変えていきましょう。
英語の5文型とは?|基本構造と学ぶ意味を整理
英語の「5文型」とは、文の語順(=構造)をパターン化したものです。
中学英語でも必ず学ぶこの5文型、実は「英語の骨格」ともいえる重要なルールです。
- そもそも5文型って何?
- 英語学習で文型を学ぶメリット
そもそも5文型って何?
英語の学習においてよく出てくる「5文型」。 これは、英語の文が持つ基本的な構造パターンを5つに分類したものです。
文型 | パターン | 例文 | 日本語訳 |
第1文型 | S + V | I run. | 私は走る。 |
第2文型 | S + V + C | She is kind. | 彼女は優しい。 |
第3文型 | S + V + O | I like sushi. | 私は寿司が好き。 |
第4文型 | S + V + O + O | He gave me a gift. | 彼は私にプレゼントをくれた。 |
第5文型 | S + V + O + C | They call me Ken. | 彼らは私をケンと呼ぶ。 |
このように、主語(S)・動詞(V)・目的語(O)・補語(C)の配置によって、英文の意味と構造が決まります。
- S(Subject) = 主語(~が)
- V(Verb) = 動詞(~する)
- O(Object) = 目的語(~を/に)
- C(Complement) = 補語(~は◯◯だ)
なぜ「型」に注目するのか?
英語は語順が非常に重要な言語です。 「どの単語がどの役割を持っているか」を見抜くためには、 この5つのパターン(文型)を知っていると、 どんな英文でも骨組みが読み取れるようになります。
つまり、5文型は英語の「文の設計図」ともいえる存在なのです。
英語 = 配置の言語
英語学習で文型を学ぶメリット
「文型って、試験のためだけの知識でしょ?」と思われがちですが、 実は、英語を“使える知識”にする上で、文型は非常に役立ちます。
私自身、学生時代は「5文型=テストに出るやつ」としか思っていませんでした。
でも、社会人になって英語で会話をしようとしたとき、 自分が話したいことがうまく口から出てこないことに気づきました。



単語の知識はあるのに、文が出てこない
特に、言いたいことの語順がぐちゃぐちゃになってしまい、 結局「単語を並べるだけ」の英語になってしまったんです。
そんなときに、5文型を改めて学び直してみると、 「こういう順番で話せば伝わるんだ!」と見通しが立ち、 自然な語順で英語を組み立てられるようになりました。
ここでは、そんな実体験も踏まえて、英語学習者にとっての5文型を学ぶメリットを3つに絞って紹介します。
- メリット①:英文を正しく「理解」できる
- メリット②:正確な「英作文」ができる
- メリット③:聞き取り(リスニング)にも強くなる
メリット①:英文を正しく「理解」できる
文型がわかると、文の骨組みがすぐに見抜けるようになります。 たとえば、I made him angry. という例文で考えてみましょう。
I made him angry.
私は彼を怒らせた。
この文はSVOC型で、「私は(S) 彼を(O) 怒らせた(VC)」という構造になります。
このとき、「誰が(主語)」「誰に何をしたか(目的語+補語)」という関係が明確になるため、 表面的な単語だけでなく、意味の流れ全体が見えてきます。
もしこの文型を知らないままだと、「angry が最後にあるけど、誰が怒ってるの?自分?彼?」といった迷いが生じることがあります。
複雑な文章でも「動詞のあとに来るのは目的語か補語か?」を見極められるようになれば、 読解力やリスニング力も飛躍的に向上します。 文の「設計図」が見えることで、英語の意味を一瞬でとらえられるようになるのです。
メリット②:正確な「英作文」ができる
英語は語順が命です。 日本語のように語順が柔軟な言語と違って、英語では語順を間違えると意味がまったく通じなくなることがあります。 そこで重要になるのが「文型」をもとに英文の語順を組み立てる力です。
・「私は彼にペンをあげた」→ I gave him a pen.(SVOO)
・「彼らは私を先生と呼ぶ」→ They call me a teacher.(SVOC)
これらの英文は、それぞれの文型に従って正しい語順で成り立っています。 「主語 → 動詞 → 目的語 → 補語(または目的語)」のような順番を理解しているからこそ、自然で伝わる英文が作れるのです。
一方で、「私はペンを彼にあげた」など、日本語の語順で考えてしまうと、英語では文の構造が崩れてしまいます。
つまり、英語を正しく話すためには、頭の中で「日本語→英語」ではなく、「意味→文型→英語」の順で考えるクセをつける必要があるのです。
文型を身につければ、英文をゼロから“組み立てる”力がつき、自信を持って発話できるようになります。
メリット③:聞き取り(リスニング)にも強くなる
ネイティブの速い英語でも、文の構造が頭に入っていれば、意味の全体像がつかみやすくなります。
たとえば、ネイティブの会話では主語が長くなったり、修飾語が途中に挟まれたりして、 「どこが動詞なのか分からない」といった混乱が起きがちです。
しかし、「英語の文は主語→動詞→目的語(または補語)」という型に沿って展開されていると知っていれば、 少々複雑な文章でも焦らず構造を予測しながら聞くことができます。
さらに、目的語と補語の役割を理解していれば、 「この ‘her’ は動詞の対象なのか、それとも状態を表しているのか?」 といった判断もスムーズにできるようになります。
つまり、ただの単語の羅列ではなく、「この文は第3文型だ」「今のはSVC型だな」と、 自然に頭の中で構造が浮かぶようになると、英語を“構造ごと”理解できるようになります。
これは聞く・読む・話す・書く、あらゆるスキルに通じる重要な感覚です。 英語の表面をなぞるのではなく、骨組みをとらえる。 それが、文型を学ぶ最大の効果といえます。
5つの文型の特徴をイメージで整理
英語の5文型は「名前だけは聞いたことがあるけど、いまいちピンとこない」という方も多いかもしれません。
そこで、各文型がどんな特徴を持ち、どんな場面で使われるのかを、できるだけシンプルなイメージで整理していきます。
難しく考える必要はありません。「主語(S)」や「動詞(V)」などのパーツが、どのように組み合わさって意味を作っているかが見えてくると、英文の構造が理解しやすくなります。
それでは、第1文型から順番に見ていきましょう。
- 第1文型(SV)|主語+動詞だけのシンプルな型
- 第2文型(SVC)|主語 = 補語の関係を表す
- 第3文型(SVO)|「〜をする」基本の型
- 第4文型(SVOO)|「〜に〜をあげる」文型をマスターしよう
- 第5文型(SVOC)|目的語と補語の関係に注目しよう
第1文型(SV)|主語+動詞だけのシンプルな型


第1文型(SV)は、英語の中で最もシンプルな文型です。構造は「主語(S)+動詞(V)」だけ。目的語や補語などは必要ありません。
・Birds sing.(鳥が鳴く)
・He runs.(彼は走る)
・I agree.(同意します)
この型は、「主語が何かをする」または「どんな状態か」を端的に表すことができ、短くても完結した文になります。
第1文型の特徴とポイント
第1文型に使われる動詞は「自動詞」と呼ばれるもので、目的語を必要としません。たとえば「go」「come」「run」「exist」などが自動詞の典型例です。
英語を話す際、まずこのSV型を正しく使えるようになることはとても大切です。 なぜなら、簡単な日常会話ではこの文型が頻繁に使われているからです。
修飾語を足して第1文型を広げる
第1文型は単純な構造ゆえに、修飾語(副詞句など)を加えることで、ニュアンスや情報量を増やすことができます。
- He runs every morning.(彼は毎朝走ります)
- The sun rises in the east.(太陽は東から昇る)
- She cried suddenly.(彼女は突然泣き出した)
このように、第1文型は「シンプルでありながら自由度が高い」型として、会話でも文章でも土台となる表現です。
「to school」は目的語?見分け方のポイント
第1文型で使われる動詞(自動詞)は、「目的語」を必要としません。でも、日本語では「目的語」があるように感じる言い方が多いので、英語にするときに間違えやすいんです。
× I go school.(私は学校へ行く) → このままだと英語の語順として間違いです。
〇 I go to school. → 「to(〜へ)」をつけると正しい形になります。
「go(行く)」や「come(来る)」などの動詞は、そのあとに前置詞(to, from, into など)をつけることで、場所などの情報を表します。
見た目は「目的語(名詞)」が後ろについているように見えても、実は「前置詞+名詞」のセットで、全体としては文の飾り(修飾語)です。だから、この文は第1文型となります。
こうしたルールを知っていると、「なんでここにtoがいるの?」と迷わずに話せるようになります。
第2文型(SVC)|主語 = 補語の関係を表す


第2文型(SVC)は、「主語(S)」と「補語(C)」がイコール(=)の関係になる文型です。動詞(V)はその関係をつなぐ役割をします。
・She is a teacher.(彼女は先生です)
・The soup smells good.(そのスープはいい香りがする)
・He became famous.(彼は有名になった)
このように、「〜は〜だ」「〜は〜になる」など、主語の状態や性質、変化を伝えるときに使います。
第2文型の特徴とポイント
この文型で使われる動詞は「be動詞」や「状態・変化を表す動詞」です。
第2文型に使われる代表的な動詞一覧(クリックで開きます)
- be(〜である)
- become(〜になる)
- get(〜になる)
- grow(〜になる)
- turn(〜になる)
- remain(〜のままである)
- stay(〜のままでいる)
- seem(〜のように見える)
- appear(〜のように見える)
- look(〜に見える)
- sound(〜に聞こえる)
- smell(〜のにおいがする)
- taste(〜の味がする)
- feel(〜と感じる)
これらの動詞は、主語と補語の関係をつなぐ役割を持ちます。
第2文型では、動詞のあとに「主語を説明する語(補語)」がきます。 この補語があることで、主語の状態や性質を伝えることができるのです。
SVCとSVOの違いを見分ける
「第2文型(SVC)なのか第3文型(SVO)なのか分からない」と迷う人が多いです。私も最初はCとOの見分けがつきませんでした。
これらを見分けるポイントは「補語が主語を説明しているかどうか」です。
He is a doctor.(彼は医者です) → 第2文型(SVC)
He sees a doctor. (彼は医者に診てもらう)→ 第3文型(SVO)
どちらも「a doctor」が出てきますが、前者は「彼=医者」という説明で、後者は「医者を見る(=診察を受ける)」という意味です。
この違いが分かれば、第2文型も怖くありません。
第3文型(SVO)|「〜をする」基本の型


第3文型(SVO)は、英語の中で最もよく使われる基本的な文型です。主語(S)+動詞(V)+目的語(O)という構造で、「〜を〜する」といった意味になります。
・I play soccer.(私はサッカーをします)
・She reads a book.(彼女は本を読みます)
・We watched a movie.(私たちは映画を見ました)
このように、何か「行動」をして「その対象(目的語)」があるときは、ほとんどが第3文型になります。
第3文型の動詞とは?
第3文型で使われるのは「他動詞」と呼ばれる動詞です。これらの動詞は、意味を完成させるために目的語が必要になります。
第3文型に使われる代表的な動詞一覧(クリックで開きます)
- play(〜をする)
- eat(〜を食べる)
- watch(〜を見る)
- buy(〜を買う)
- know(〜を知っている)
- like(〜が好き)
- use(〜を使う)
- make(〜を作る)
- have(〜を持っている)
これらの動詞は、あとに目的語がきて初めて意味が完成します。目的語が抜けてしまうと、文として不十分なものになります。
自動詞との違いを見極めよう
他動詞を使った文の例 → He plays the piano.(彼はピアノを弾く)
自動詞を使った文の例 → He sleeps.(彼は眠る)
「play」は「〜をする」という意味で、何をするのかを言わないと文の意味が伝わりません。たとえば「He plays.(彼は遊ぶ)」だけでは、何をしているのか分かりづらいですよね。
そこで「the piano(ピアノを)」のような目的語をあとに置くことで、意味が完成します。
一方、「sleep(眠る)」は、それだけで意味が通じる動詞です。「He sleeps.(彼は眠る)」は、それ以上何かを加えなくても文として成り立ちます。これは主語+動詞だけで成り立っているため第一文型になります。
このように、「あとに目的語が必要かどうか」で、他動詞と自動詞を見分けることができます。
よくあるミス(目的語が抜けてしまう)
繰り返しになりますが、日本語では目的語を省略することがよくあります。しかし英語では、目的語がないと意味が伝わらないことが多くあります。
× I like. → 「私は好きです」では、何を好きなのか分かりません。
〇 I like music. → 「私は音楽が好きです」
このように、他動詞を使うときは「何を?」にあたる目的語を忘れずにつけることが大切です。
第3文型は、英語の「動詞+名詞」という基本形です。英会話でもよく使われるので、しっかり理解しておきましょう。
第4文型(SVOO)|「〜に〜をあげる」文型をマスターしよう


第4文型(SVOO)は、「誰かに何かを与える」といった意味の文を作るときに使う形です。 文の形は、主語(S)+動詞(V)+目的語(O)+目的語(O)となっており、目的語が2つ連続するのが特徴です。
・She gave me a present.(彼女は私にプレゼントをくれました)
・I told him the truth.(私は彼に真実を話しました)
・He showed us his photo.(彼は私たちに自分の写真を見せました)
このように、「〜に〜を〜する」という形になるのが第4文型です。
第4文型の代表的な動詞
第4文型でよく使われる動詞は、あるものを誰かに「渡す」「与える」「伝える」などの意味を持つ動詞です。
第4文型に使われる代表的な動詞一覧(クリックで開きます)
- give(〜を与える)
- tell(〜を伝える)
- show(〜を見せる)
- send(〜を送る)
- teach(〜を教える)
- lend(〜を貸す)
- offer(〜を申し出る)
たとえば「He gave me a book.」のように、「誰に(me)」と「何を(a book)」という2つの情報を一度に伝えられるのがこの文型の特徴です。
第3文型との違いを理解しよう
第4文型の文は、第3文型に書き換えることができることが多いです。
第4文型で表現した場合
She gave me a pen. (彼女は私にペンをくれた。)第3文型に書き換えた場合
She gave a pen to me. (彼女は私にペンをくれた。)このように、「to」や「for」などの前置詞を使えば同じ意味を伝えることができます。 ただし、第4文型の方が自然で話し言葉に使われることが多く、英会話ではこちらの形がよく使われます。
よくある語順ミスに注意
日本人の英語学習者に多いミスは、目的語の順番を逆にしてしまうことです。
× She gave a pen me.
〇 She gave me a pen.
これは、日本語と英語の語順の感覚の違いが原因です。日本語では「ペンを私にあげた」のように「何を→誰に」の順になるのに対して、英語では「誰に→何を」と逆の順になります。
直感的に理解するには、「あげる相手を先に言う」と覚えておくのがコツです。
また、2つの目的語の間に前置詞(to, forなど)を入れてしまうと、第4文型ではなく第3文型になります。
このように、2つの目的語を前置詞なしで並べることが第4文型のポイントです。
第4文型は、相手に何かを「与える」「伝える」といった場面で非常によく使われます。英会話でも頻出するので、代表的な動詞と語順をしっかり身につけておきましょう。
第5文型(SVOC)|目的語と補語の関係に注目しよう


最後、第5文型(SVOC)は、「目的語(O)と補語(C)」がイコールの関係になる文型です。文の形は、主語(S)+動詞(V)+目的語(O)+補語(C)となります。
・They elected him president.(彼らは彼を大統領に選んだ)
・She made me happy.(彼女は私を幸せにしてくれた)
・We found the room clean.(私たちはその部屋がきれいだとわかった)
このように、第5文型では「O = C」となる関係がポイントです。「彼=大統領」「私=幸せ」「部屋=きれい」といった関係です。
この第5文型、少しややこしいですよね。英文が聞き取れなかったり、意味がよくわからなかったときはこの文構造になっている場合があります。
でも安心してください。第5文型に使われやすい動詞は限られていて、それらの動詞が出た時に「第5文型かも?」と注意することでスムーズに理解できるようになります。
第5文型でよく使われる動詞
第5文型に使われる動詞は、「目的語に何かの状態を与える」や「OがCであると判断する」といった意味を持ちます。
第5文型に使われる代表的な動詞一覧(クリックで開きます)
- make(〜にする)
- name(〜と名付ける)
- call(〜と呼ぶ)
- find(〜だとわかる)
- think(〜だと思う)
- keep(〜のままにする)
- elect(〜に選ぶ)
たとえば「She made me happy.」では、「me = happy」となる関係が成り立っています。この関係が成り立たないと、第5文型として文が正しく機能しません。
第3文型との違いを確認しよう
第3文型と第5文型は、どちらも動詞のあとに目的語をとりますが、第5文型はさらに補語(C)を必要とします。
第3文型
She called me.(彼女は私に電話をかけた)第5文型
She called me a genius.(彼女は私を天才と呼んだ)このように、「誰に(me)」だけで終わるのが第3文型、「誰を何と(me a genius)」と言うのが第5文型です。文の意味を完成させるには、Cが必要です。
第5文型を直感的に理解するコツ
第5文型では、「目的語(O)=補語(C)」というイメージが大事です。
「OがCである」と頭の中で訳してみると、意味が通じるかどうかが確認できます。



She made me happy. (彼女は私を幸せにした)
me = happy だから第5文型!
反対に、「=」の関係が成り立たないときは、第5文型にはなりません。
第5文型は少し難しそうに見えますが、仕組みがわかればシンプルです。英会話でもよく使われる形なので、例文を繰り返し練習して、使いこなせるようにしましょう。
5文型を見分ける方法とコツ


5文型の名前や構造を覚えても、「実際の英文ではどうやって見分ければいいの?」と疑問に思う方は多いはずです。特に英会話や英語の読解では、文型がパッと判断できないと、意味を取り違えてしまうこともあります。
ここでは、英文を見たときにどの文型なのかをスムーズに判断するためのポイントや、初心者でも使えるコツをわかりやすく解説します。難しい文法用語は使わず、直感的に見分けるための考え方を身につけましょう。
文型の理解はここから|SVOCMの5つの要素を覚えよう
英語の文型を理解するうえで、まず覚えておきたいのが文の基本的な構成要素「SVOCM」です。 これは、英語の文を作るときのパーツのようなものです。
記号 | 意味 | 役割のイメージ |
---|---|---|
S | Subject(主語) | 文の「主人公」になる |
V | Verb(動詞) | 主語の「動作」や「状態」を示す |
O | Object(目的語) | 動詞の「対象」となるもの |
C | Complement(補語) | 主語や目的語の「説明」になる |
M | Modifier(修飾語) | 情報を「補足」する要素 |
たとえば、以下の文を見てみましょう。
I play soccer every Sunday.
私は毎週日曜日にサッカーをする。
この文は、
- S(I)
- V(play)
- O(soccer)
- M(every Sunday)
というように、SVOMの要素に分けて考えることができます。
修飾語(M)は省略可能
文を組み立てるときに注意しておきたいのが、M(修飾語)は基本的に「なくても文が成立する」ということです。 たとえば、I play soccer.(私はサッカーをします)でも文は完成しています。
ここに「every Sunday(毎週日曜に)」という情報を付け足すことで、より具体的な内容になります。
つまり、文型を考えるときはまずS・V・O・Cまでを軸にして、それにMを必要に応じて追加する、という考え方がわかりやすいです。
英語の文は、SとVを中心にして、OやCが加わって意味が広がっていきます。この5つの要素を意識できると、文型の理解が一気にラクになります。
文型を見分ける3ステップ
英語の文型を見分けるときは、いきなり文全体を見ようとせず、次の3ステップで一つずつ整理していくとわかりやすくなります。
ステップ1:まずは動詞(V)を見つける
どんな文でも、まず最初に探すべきは「動詞(V)」です。 英語では、動詞が文の中心になります。
・She is a teacher.
・He plays tennis.
・They gave me a gift.
それぞれの文で、「is」「plays」「gave」が動詞です。
ステップ2:主語(S)を確認する
次に、動詞の前にある「主語(S)」を確認します。 これは、動作の主体を示すもので、日本語の「〜は」「〜が」にあたります。
・She is a teacher. → 主語は「She」
・He plays tennis. → 主語は「He」
・They gave me a gift. → 主語は「They」
これでSVが揃った状態になります。
ステップ3:動詞の後ろを見て、文型を判断する
動詞のあとの部分を見て、目的語(O)や補語(C)があるかどうかを判断しますが、まずは「動詞の意味」と「動詞のあとにくる名詞句の数」に注目するとわかりやすくなります。
ここで言う「名詞句」は、冠詞(a, the)や形容詞を含んだかたまりと考えてください(例:a gift, my friend など)。
まず、動詞のあとに来る名詞句の数を見てみましょう。
名詞句が1つ
OまたはCの可能性名詞句が2つ
O+O または O+C の可能性次に、動詞の意味や特徴を確認します。
名詞句1つの例
- I like music. → 「like」は「〜を好む」→ 目的語(O)→ 第3文型(SVO)
- She is a student. → 「be動詞」+名詞(C)→ 第2文型(SVC)
名詞句2つの例
- They gave me a gift. → O(me)+O(a gift)→ 第4文型(SVOO)
- We call him Tom. → O(him)+C(Tom)→ 第5文型(SVOC)
このように、動詞の意味と、後ろに続く名詞句の数をセットで見ていくと、文型を見分けやすくなります。
動詞→主語→動詞の後ろ、という順で観察することで、英語の文のしくみが自然にわかってきます。まずはこの順番で見ていくことを意識しましょう。
動詞の種類で文型がわかる
文型を見分けるうえで、動詞の種類に注目するのはとても大切です。なぜなら、動詞によって「どんな文型を作れるか」がある程度決まっているからです。
ここでは、よく使われる代表的な動詞と、それがよく使われる文型を紹介します。
第1文型(SV)によく使われる動詞
- come(来る)
- go(行く)
- run(走る)
- swim(泳ぐ)
- sleep(寝る)
- live(住む)
例文
- She runs every morning.
- They live in Tokyo.
これらの動詞は、後ろに目的語や補語を必要としない「自動詞」と呼ばれます。動作や状態だけを表し、「主語+動詞」で意味が完結するのが特徴です。
第2文型(SVC)によく使われる動詞
- be動詞(am, is, are など)
- become(〜になる)
- seem(〜のように見える)
- look(〜に見える)
- sound(〜に聞こえる)
例文
- He is a student.
- She became a doctor.
- This sounds interesting.
これらの動詞は「主語=補語」の関係を作る「状態変化」や「印象・認識」を表す動詞です。補語(C)には名詞や形容詞が使われ、「どんな状態か」「どう見えるか」を説明します。
第3文型(SVO)によく使われる動詞
- play(〜をする)
- eat(〜を食べる)
- read(〜を読む)
- like(〜を好む)
- have(〜を持っている)
- know(〜を知っている)
例文
- I like apples.
- She reads books.
これらの動詞は、後ろに目的語を取る「他動詞」と呼ばれます。目的語(O)がないと意味が不完全になるのが特徴です。目的語には人や物が入り、「何を」「誰を」といった情報を補います。
第4文型(SVOO)によく使われる動詞
- give(〜に〜を与える)
- tell(〜に〜を伝える)
- show(〜に〜を見せる)
- send(〜に〜を送る)
- teach(〜に〜を教える)
例文
- He gave me a present.
- She told us a story.
これらの動詞は「人に物を与える」ような意味を持ち、2つの目的語を取るのが特徴です。最初の目的語(間接目的語)は「誰に」、次の目的語(直接目的語)は「何を」にあたります。
第5文型(SVOC)によく使われる動詞
- call(〜を…と呼ぶ)
- make(〜を…にする)
- name(〜を…と名づける)
- find(〜が…だとわかる)
- keep(〜を…のままにしておく)
例文
- We call him Tom.
- She made me happy.
これらの動詞は、目的語(O)と補語(C)との間に「〜は…である」という関係を作ります。補語には名詞や形容詞が使われ、目的語の状態や名前などを説明します。OとCがつながる意味を意識すると理解しやすくなります。
このように、動詞の特徴を覚えることで、どの文型になるのかを予想できるようになります。最初はよく使う動詞から覚えて、実際の英文で確認してみましょう。
修飾語(M)が文型を見えにくくする?
英文の文型を見分けようとするとき、よくつまずく原因のひとつが「修飾語(M)」の存在です。修飾語は、文の意味を詳しく説明する部分ですが、文型には直接関係しません。
修飾語(M)とは?
修飾語とは、動詞や名詞を詳しく説明する語句です。たとえば時間、場所、方法、理由などを表す表現が該当します。
文型の構成要素であるS(主語)、V(動詞)、O(目的語)、C(補語)とは異なり、なくても文が成り立つ「おまけ」の情報として扱われるため、「M(Modifier)」という記号で表されます。
She studies in the library every day.
彼女は図書館で毎日勉強する。
- 主語(S):She
- 動詞(V):studies
- 修飾語(M):in the library,
- 修飾語(M):every day
→ 第1文型(S+V)
このように、修飾語が文の中に複数入っていても、基本の文型「主語+動詞」のみがあるので第1文型と判断できます。
修飾語を見抜くコツ
1.「なくても文が成り立つか」を考える
- 修飾語は取り除いても文の骨組みは残ります。
- 上の例文では、”She studies.” だけでも意味は通じます。
2. 文の要素(S, V, O, C)と区別する習慣をつける
- 修飾語はあくまで「追加情報」です。目的語(O)や補語(C)と混同しないようにしましょう。
3. 前置詞句に注意
- 「in the morning」や「at school」など、前置詞で始まる語句は多くの場合、修飾語Mです。
「on the table」があっても第4文型ではない理由
He put the book on the table.
彼はテーブルの上に本を置いた。
この文では「on the table」があるため、「目的語が2つある=第4文型(SVOO)では?」と思うかもしれません。 しかし、正解は第3文型(SVO)です。
- 主語(S):He
- 動詞(V):put
- 目的語(O):the book
- 修飾語(M):on the table
ポイントは「on」という前置詞の存在です。前置詞がついている語句は、通常「修飾語(M)」として扱われます。 「on the table」は「どこに置いたのか」という場所情報であり、目的語ではないため、文型はSVOになります。
修飾語を正しく見抜けるようになると、文型がずっとわかりやすくなります。まずは「修飾語はなくても文は成立する」ことを意識して、文の骨組みを見つける練習をしてみましょう。
会話に活かす5文型!“話すため”の型との関係
これまで5文型のしくみや見分け方を学んできましたが、「これって会話でどう役に立つの?」と思う方もいるかもしれません。実は、英会話でスラスラ話せるようになるためには、この5文型の考え方が土台になります。
なぜなら、英語は“語順の言語”。どんなことを言いたいときも、「主語→動詞→目的語」のような順番に沿って、型にはめて話すことで自然な英文になります。
ここからは、「話す」ために5文型をどう活用すればいいのかを、会話の具体例を交えながら紹介していきます。理解するだけでなく、「使える知識」に変えていきましょう。
英会話は「型の組み合わせ」でできている
英会話は、単語を感覚で並べていくものではありません。実は「使える型」をいくつか覚えることで、会話のほとんどを組み立てることができます。その「型」の基礎となるのが5文型です。
そもそも「型」とは?
「型」とは、文の骨組みのこと。日本語でも「〜は〜です」「〜が〜を〜する」といった基本の構造があるように、英語にもパターンがあります。英語の5文型は、その基本パターンを5つに分けて整理したものです。
使い回せる「型」を持っておく意味
- I like pizza.
- I like watching movies.
- I like talking with friends.
このように、「I like + ○○」の型を知っていれば、あとは好きなものを入れるだけでいろんな表現ができます。これは「第3文型(SVO)」の形にあたります。
英会話においても、「何を」「誰に」「どうした」のような基本パーツを型に当てはめていけば、伝えたいことはほとんど言えるのです。
もっと具体的な型を知りたい方は、英会話でよく使われる型をまとめた以下の記事もぜひご覧ください。実践的な例が満載で、会話力アップに役立ちます。


ネイティブも実はシンプルな型を多用している
英語を話すネイティブスピーカーと聞くと、「長くて複雑な英文をスラスラ話している」と思いがちです。しかし実際の会話では、意外にもシンプルな構造の文が多く使われています。
ネイティブの日常会話は短くてわかりやすい
たとえば、ネイティブ同士の会話を聞いてみると、
- I’m tired.
- You look great!
- Let’s go.
- I’ll call you.
このように、第1〜第3文型を使った短いセンテンスが多いのが特徴です。これらは、5文型の中でも基本的な構造で、意味がすぐに伝わるため会話で重宝されます。
難しい文法より「正確でシンプル」が優先される
ネイティブでも、日常的な会話では複雑な関係詞や倒置などの文法はあまり使いません。特に、相手との意思疎通が最優先される会話の場面では、
- 文の構造が明快
- 意図が一発で伝わる
- 相手に考えさせない
といった点が重視されるため、結果的に文型もシンプルなものが選ばれる傾向にあります。
文型を知っていれば、ネイティブの話も理解しやすくなる
ネイティブの話す英語を聞き取れないとき、「単語は聞き取れているけど、意味がつかめない」ということがあります。その原因の一つは、文型の把握ができていないことです。
文型の知識があれば、



今の文は「SVCだった」から、主語の状態を言っていたんだ



「SVO」だから何かをしたってことだな
といったように、意味の骨格をつかむことができるようになります。
つまり、5文型を知っていることは、ネイティブの英語を「聞き取る」「理解する」うえでも大きな助けになるのです。
まとめ:英語の土台を作るなら、まずは5文型から
5文型は英語の“語順”を理解するための基本の型であり、英語を話す・聞く・読むすべての力に関わる「土台」になります。
- 第1文型(SV)|主語+動詞だけのシンプルな型
- 第2文型(SVC)|主語 = 補語の関係を表す
- 第3文型(SVO)|「〜をする」基本の型
- 第4文型(SVOO)|「〜に〜をあげる」文型をマスターしよう
- 第5文型(SVOC)|目的語と補語の関係に注目しよう
難しそうに感じるかもしれませんが、使われているパターンは意外とシンプル。ネイティブの会話でも、基本的な文型が繰り返し使われています。
つまり、5文型の考え方を身につければ、
- 会話の中で自然な語順が浮かぶようになる
- 長い英文も構造でとらえて理解しやすくなる
という大きな効果が期待できます。
ぜひ、自分の会話や読解の中で文型を意識してみてください。英語が「意味のかたまり」としてクリアに見えてくるはずです。
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