「~したい」は”I want to”だけ覚えておけばいいの?
英語で願望「~したい」を表現するには、 “I want to + 動詞の原形” と中学校で習ったと思います。
しかし、 “I want to” は「~したい」と直接的な表現であるため、少し幼稚に聞こえてしまいます。そのため、上司との会話やビジネスシーンなど、フォーマルな場面では失礼にあたる可能性があります。
これを避けるために、”I want to” の代わりに、より丁寧で適切な表現を使い、相手に良い印象を与えるほうが良いです。
そこで今回は、私が普段英語を使う中でよく耳にする、「~したい」を表す英語表現を10個ご紹介します。シチュエーションに応じて使い分けるために、これらの言い方を覚えておくと良いでしょう。
“I want to” 以外で「~したい」
願望を表す表現を10個紹介するよ!
- I’d like to「~したい」
- I feel like「~したい気分だ」
- I hope to「~することを望む」
- I’d love to「ぜひ~したい」
- I’m eager to「~したくてたまらない」
- I’m keen to「~することに乗り気だ」
- I wish to「~したいと願う」
- I long to「~することを切望する」
- I’m dying to「~したくてたまらない」
- I’m itching to「~したくてうずうずしている」
本記事では、これら10個の表現についてニュアンスの違いを含めて詳しく解説します。例文を通して、実際に使われる場面をイメージしてみましょう。
I want to以外で「~したい」を表す10表現の使い分け方
英語には「~したい」を表現する多くの方法があり、それぞれの表現は微妙なニュアンスやフォーマリティ(堅苦しさ)の違いがあります。ここでは、10種類の表現について、そのニュアンスと使われる場面を詳しく見ていきます。
一気に多くの表現を紹介していますが、どれを使ったら良いかが分からないと思うので、以下のような図を作成してみました。
それぞれの表現のニュアンス、および使われる場面の範囲を視覚的に表しています。数字は1が最もカジュアルで、10が最もフォーマルな場面を表しています。
I‘d like to「~したい」
丁寧で控えめな「したい」。フォーマルな場面でも使える。
I feel like「~したい気分だ」
気分やムードによる「したい」。カジュアルな表現。
I hope to「~することを望む」
期待や希望を込めた「したい」。願望が実現することを望む。
I’d love to「ぜひ~したい」
熱心さや積極さを含む「したい」。情熱的な表現。
I’m eager to「~したくてたまらない」
強い興味や熱意を含む「したい」。
I‘m keen to「~したくてたまらない」
強い興味や熱意を含む「したい」。
I wish to「~したいと願う」
フォーマルで控えめな「したい」。実現可能性が低い。
I long to「~したいと願う」
長い間待ち望んだ「したい」。切実な願望を表現する。
I‘m dying to「~したくてたまらない」
非常に強い欲求を示す「したい」。カジュアルな表現。
I‘m itching to「~したくてうずうずしている」
非常に強い欲求を示す「したい」。カジュアルな表現。
「~したい」I want to以外の表現を学んだほうが良い理由
I want to = 直接的
英語で願望を表現する際に、 “I want to” を使うのは決して間違いではありません。しかし、 “I want to” は「~したい!」とかなり直接的に聞こえます。
そのため、状況に応じて他の表現を使い分けることが重要です。例えば、仕事の場面では “I’d like to” といった表現を使うと、より丁寧な印象を与えることができます。また、カジュアルな会話では “I feel like” などの表現を使うことで、あまり堅苦しくなく自然に聞こえます。
私自身も、 “I want to” を多用していた時期がありました。しかし、上司や同僚に少し強引な印象を与えてしまっていたのでしょうか、意図せずに反感を買ってしまうことがたまにありました。
そこで、他の表現を意識的に使うようにしたところ、コミュニケーションがよりスムーズになり、チーム内での信頼感も増しました。
このように、場面に応じた多様な英語表現を身につけることで、コミュニケーションの幅が広がり、聞き手に対してより好印象を与えることができます。
解説と例文:I want to以外で「~したい」を表す10種類の表現
それぞれの表現の解説と例文をご紹介します。例文から実際の使い方をイメージしてみましょう。
「~したい」を表す10種類の表現
(クリックで各項目へ移動できます)
1. I’d like to
- 意味:「~したい」
- ニュアンス: 丁寧で控えめな「したい」。フォーマルな場面でも使える。
“I’d like to” は “I want to” よりも丁寧で控えめな表現です。ビジネスなどフォーマルな場面で非常によく使われます。
ちなみに”I ‘d” は “I would”の省略形です。書き言葉の場合は省略形はほとんど使われないので、 “I would”とするほうが良いです。
また、”I want to” と同様に “to” はTo不定詞なので、その直後には動詞の原形を入れましょう。
“I’d like to” を使った例文を2つ紹介します。音声と合わせてぜひチェックしてみてください。
”I’d like to schedule a meeting for next week.”
「来週ミーティングを予定したい。」
”I’d like to order the special dish on the menu.”
「メニューの特別料理を注文したい。」
2. I feel like
- 意味:「~したい気分だ」
- ニュアンス: 気分やムードによる「したい」。カジュアルな表現。
“I feel like” はカジュアルな表現で、気分やムードによる「したい」を表します。友達や家族との会話でよく使われる便利な言い方です。
“I feel like” の直後には動名詞(動詞の-ing形)を入れましょう。
以下は、この表現を使った文の例です。 ”I feel like” を使うことで、そのときの気分を自然に伝えています。
”I feel like eating pizza tonight.”
「今夜はピザが食べたい気分。」
”I feel like going for a walk in the park.”
「公園を散歩したい気分。」
3. I hope to
- 意味:「~することを望む」
- ニュアンス: 期待や希望を込めた「したい」。願望が実現することを望む。
“I hope to” は未来の希望や願望を表現する際に使います。文法的に直訳すると「~することを望む」となり、期待や希望を込めた表現です。
この”to” もTo不定詞です。直後には動詞の原形がきます。
以下の例文のように、”I hope to” を使用することで、少し控えめでありながらも強い願望を伝えることができます。
”I hope to visit Japan next year.”
「来年日本を訪れたい。」
”I hope to get a promotion by the end of the year.”
「年末までに昇進したい。」
4. I’d love to
- 意味:「ぜひ~したい」
- ニュアンス: 熱心さや積極さを含む「したい」。情熱的な表現。
“I’d love to” は情熱的で積極的な「したい」を表現する際に使います。” I’d like to” と似ていますが、より強い熱意がある印象を与えます。
例えば、以下の例文のように、新しいプロジェクトが立ち上がったときなどに使います。私もチームメンバーの前で意気込みを言うとき、この表現を使って積極的な姿勢をアピールしました。
”I’d love to join your team for the project.”
「そのプロジェクトのチームにぜひ参加したい。」
また、情熱的に何かのイベントに誘う際にも使うことができます。
”I’d love to attend the concert with you.”
「あなたと一緒にコンサートにぜひ行きたい。」
5. I’m eager to
- 意味:「~したくてたまらない」
- ニュアンス: 強い興味や熱意を含む「したい」。
“eager” は、「熱心な、待ちきれない様子の」といった意味です。そのため、”I’m eager to” で強い興味や熱意を含む「したい」を表現することが出来ます。待ちきれない気持ちを伝えるのに最適です。
例えば、以下の2つの例文では新しい環境に対して待ちきれないといった強い気持ちを含んでいます。新しい仕事にわくわくしているという気持ちを表すのにぴったりでしょう。
”I’m eager to start my new job.”
「新しい仕事を始めることを熱望している。」
”I’m eager to meet my new colleagues.”
「新しい同僚に会うのが待ちきれない。」
6. I’m keen to
- 意味:「~したくてたまらない」
- ニュアンス: 強い興味や熱意を含む「したい」。
“keen” には様々な意味がありますが、そのうちの一つに「熱心な」という意味があります。そのため、”I’m keen to” で「~したくてたまらない」といった表現になります。
“I’m keen to” は “I’m eager to” に似ていますが、”keen”のほうが少し控えめで誠実なニュアンスがあります。
たとえば、新しいスキルや知識を学びたいときに以下の例文のような表現を使ったことがあります。これらの表現では、 “I want to learn”よりも積極的で、熱意がある印象を与えることができます。
”I’m keen to learn more about marketing.”
「マーケティングについてもっと学びたい。」
”I’m keen to participate in the workshop.”
「そのワークショップに参加したい。」
7. I wish to
- 意味:「~したいと願う」
- ニュアンス: フォーマルで控えめな「したい」。
“I wish to” はフォーマルな場面で使う控えめな表現です。
意味的には「~したいと願う」となり、”I hope to” と似ています。しかし、 “I wish to” のほうが実現可能性が低いことを暗示することから、非常に奥ゆかしく丁寧なニュアンスとなります。
感謝の気持ちを正式に表現する、ビジネスメールや、プレゼンの締めの言葉などに適しているでしょう
”I wish to express my gratitude for your support.”
「あなたのサポートに感謝の意を表したい。」
また、こちらは公式な通知や連絡として使われている例です。「I want to inform」よりも丁寧な表現となっています。
”I wish to inform you about the changes.”
「変更点についてお知らせしたい。」
8. I long to
- 意味:「~したいと切望する」
- ニュアンス: 長い間待ち望んだ「したい」。切実な願望を表現する。
“long” は形容詞で「長い」という意味というのは皆さんご存じだと思いますが、動詞で「切望する」という意味も持っています。
つまり、”I long to” で長い間待ち望んだ強い願望を表現することができます。
例えば、故郷を離れていた人が再び訪れたいと感じるときに使います。
”I long to visit my hometown again.”
「故郷を再び訪れたい。」
昔の友人との再会を切望する気持ちを伝えるのにも適しています。懐かしさや強い願望を示す表現です
”I long to reunite with my old friends.”
「旧友たちと再会したい。」。
9. I’m dying to
- 意味:「~したくてたまらない」
- ニュアンス: 強い欲求を示す「したい」。非常にカジュアルな表現。
“I’m dying to” は強い欲求を示す非常にカジュアルな表現です。
“dying” は「死ぬ」を意味する動詞 “die” の現在分詞で、「したくて死んでしまいそう」といった意味から来ています。
そのため、ビジネスなどフォーマルな場面では避けるように気を付けてください。
例えば、重要なニュースを今すぐにでも伝えたいときに以下のように言うことができます。 “I want to tell you” よりも、待ちきれない気持ちを強調しています。
” I’m dying to tell you the good news!”
「その良いニュースを早く伝えたい!」
映画やイベントなど、楽しみにしていることに対して待ちきれないと表現することもできます。
”I’m dying to see the latest movie!”
「最新の映画を早く見たい!」
10. I’m itching to
- 意味:「~したくてうずうずしている」
- ニュアンス: 強い欲求を示す「したい」。非常にカジュアルな表現。
“itch” は「かゆい、うずうずする」という意味です。そこから派生して、 “I’m itching to” で「~したくてうずうずしている」という表現になります。
こちらも友人との会話などで使用される非常にカジュアルな表現です。フォーマルな場面では使わないほうが良いでしょう。
例えば、子どもがプレゼントを開けるのが待ちきれないときに、このように使われます。
” I’m itching to open the presents!”
「プレゼントを開けたくてたまらない!」
新しいものを試したいときにも使えます。 “I want to try out” よりも、待ちきれない気持ちを強調しています。
”I’m itching to try out my new bike!”
「新しい自転車に早く乗りたい!」
まとめ:I want to以外で「~したい」を表す10種類の表現
この記事で紹介した表現はこちら!
- I‘d like to = 「~したい」
・丁寧で控えめな「したい」
・フォーマルな場面でも使える - I feel like = 「~したい気分だ」
・気分やムードによる「したい」
・カジュアルな表現 - I hope to「~することを望む」
・期待や希望を込めた「したい」
・願望が実現することを望む - I’d love to「ぜひ~したい」
・熱心さや積極さを含む「したい」
・情熱的な表現 - I’m eager to「~したくてたまらない」
・強い興味や熱意を含む「したい」 - I‘m keen to「~したくてたまらない」
・強い興味や熱意を含む「したい」
・I’m eager toよりも誠実 - I wish to「~したいと願う」
・フォーマルで控えめな「したい」
・I hope toよりも実現可能性が低い - I long to「~したいと願う」
・長い間待ち望んだ「したい」
・切実な願望を表現する - I‘m dying to「~したくてたまらない」
・強い欲求を示す「したい」
・非常にカジュアルな表現 - I‘m itching to「~したくてうずうずしている」
・強い欲求を示す「したい」
・非常にカジュアルな表現
英語には “I want to” 以外にも「~したい」を表現する多くの方法があり、それぞれの表現には微妙なニュアンスやフォーマリティ(=堅苦しさ)の違いがあります。
状況に応じて適切な表現を選ぶことで、より自然で効果的なコミュニケーションが可能になります。多様な表現を身につけて、英語での表現力を高めましょう。
本記事が少しでも皆様のお役に立つことを願っています。
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