【もう迷わない】英語の自動詞・他動詞をグルーピングで覚える方法

「この動詞、前置詞いるんだっけ?」

そう悩むたびに、英文づくりの手が止まってしまう。英語学習者なら誰しも経験があるはずです。

目的語を直後に置く“他動詞”なのか、それとも前置詞+名詞で情報を補う“自動詞”なのか。ここをすばやく見極められないと、メールでもプレゼンでも「うーん……」と考え込む時間がどんどん増えてしまいます。

私自身、外資系企業で英語を使いながら仕事をする中でこの問題に直面していました

ぬこ(筆者)

discuss “about”っているんだっけ?
※要りません

しかし、自動詞を“例外リスト”として先にグルーピングして覚え残りを「他動詞」と割り切る学習法に切り替えた途端、前置詞の選択ミスが激減し、英文の生産スピードが一気にアップしたのです。

本記事では、筆者の経験を踏まえ、「まず自動詞を体系的に整理し、残りを他動詞として扱う」という効率的な学習手順をご紹介します。

代表的な自動詞を四つの意味カテゴリーに分類し、誤用しやすい「自他両用動詞」についても丁寧に整理しました。

読み終える頃には、前置詞の有無を即座に判断できるようになり、英文作成時の迷いが大幅に軽減されるはずです。

それではまず、「自動詞と他動詞とは?基本をおさえよう」からスタートしましょう!

目次

自動詞と他動詞とは?まずは基本をおさえよう

英語で正確に伝えるためには、まず「動詞が目的語を必要とするかどうか」を見極めることが欠かせません。

文章の骨格を決めるこのポイントが曖昧なままだと、前置詞や語順で何度もつまずき、迷うたびに時間を取られてしまいます。

ここでは「自動詞」と「他動詞」の違いを基本から整理していきましょう。

  • 自動詞と他動詞の違い
  • 自動詞と他動詞、どっちが多い?
  • なぜ自動詞・他動詞を見分けることが大切なのか
  • 自動詞と他動詞は覚えるしかない?

自動詞と他動詞の違い

自動詞は主語と動詞(SV)だけで文が成立し、目的語を直接取らない動詞です。

She arrived at the station.
彼女は駅に到着した。


他動詞は目的語を伴うことが前提で、文型は主語・動詞・目的語(SVO)になります。

He bought a car.
彼は車を買った。

自動詞と他動詞、どっちが多い?

英語の動詞全体の およそ7〜8割は他動詞 だといわれます。したがって学習の効率を上げるには、まず頻出の自動詞だけを “例外リスト” として覚え、残りは「目的語を取る=他動詞」と割り切るのが有効です。

ぬこ(筆者)

「自動詞じゃなければ他動詞」と覚えよう

なぜ自動詞・他動詞を見分けることが大切なのか

自動詞と他動詞を間違えると、意味が伝わりづらかったり、不自然な英語に聞こえてしまう可能性があります。

たとえば自動詞 arrive に目的語を直に続けて I arrived the station. とすると「到着させた」という誤解を招きます、また、他動詞 discuss に余計な前置詞を付けて Please discuss about the agenda. と言えばネイティブには不自然に響きます。

こうしたミスは試験の減点にもつながりますし、英語メールやプレゼンなどではカッコ悪い印象を与えてしまうでしょう。

逆に動詞が自動詞か他動詞かを即座に判断できれば、前置詞の有無や語順で迷わずに済み、英文をアウトプットする時間も大幅に短縮できます。

自動詞と他動詞を見分けることは、英語学習において語彙力を増やす以上に、実務や日常で使える英語力を底上げする近道と言えます。

自動詞と他動詞は覚えるしかない?

すべてを丸暗記する必要はありません。代表的な自動詞を先にリストで押さえ、それ以外は原則「目的語を取る動詞=他動詞」として扱えば、日常的な英文は十分組み立てられます。

この“例外先取り”の方法で、試験だけでなく実務やコミュニケーションでも通用する運用力が身につきます。

【自動詞一覧】用途別・意味別で覚えよう

自動詞は「主語だけで完結する動きや状態」を表すものがほとんどです。

数としては全動詞の中で少数派なので、代表的なものをグループごとに覚えてしまえば、それ以外は原則“他動詞”と判断できます。

  • 自動詞に共通する特徴
  • ① 移動・変化を表す自動詞
  • ② 状態・存在を表す自動詞
  • ③ 天候・出来事を表す自動詞
  • ④ 感情・反応を表す自動詞
  • 自動詞×前置詞の覚え方 = セットで覚えよう
  • なぜ「到着する」arrive は自動詞なのか?
  • 自動詞まとめ:効率よく覚える 3 ステップ

自動詞に共通する特徴

自動詞は目的語を直接取らず、動作や状態が主語の内部で完結します。場所や方向を補う必要があるときは to、at、in などの前置詞+名詞を後ろに置きます。

天候・出来事・感情など、外から働きかける対象を持たない概念を表す場合が多い点も特徴です。


① 移動・変化を表す自動詞

動詞基本イメージよく使う前置詞例文
go行く・移動するto / into / out ofShe goes to school every day.
come来るtoCan you come to my office?
arrive到着するat / inThey arrived at noon.
return戻るfromHe returned from France yesterday.
run走るinI run in the park.

覚え方のコツ:動詞は「移動そのもの」を示すだけと割り切り、行き先や出発点などの地図情報は to / from / at などの前置詞句で必ず後ろに補うと覚える。


② 状態・存在を表す自動詞

動詞基本イメージよく使う前置詞例文
be存在するin / atShe is in her room.
stay滞在する・留まるat / inWe stayed at a hotel.
live住むin / atThey live in Tokyo.
remain~のままでいるHe remained silent.
exist存在するGhosts don’t exist.

覚え方のコツ:動詞は「そこにいる・ある」という状態だけを示すと捉え、具体的な場所や状況は in / at / on などの前置詞句で後ろにピン留めする、と覚える。


③ 天候・出来事を表す自動詞

動詞基本イメージよく使う前置詞例文
rain雨が降るIt rained all day.
snow雪が降るIt’s snowing now.
happen起こる— / toAn accident happened.
occur発生するThe error occurred again.
break out(戦争・火事が)起こるA fire broke out at night.

覚え方のコツ:形式主語 it や無生物主語で受けるパターンが多く、「誰かが雨を降らせる」わけではないので、自動詞になる。


④ 感情・反応を表す自動詞

動詞基本イメージよく使う前置詞例文
laugh笑うatEveryone laughed at the joke.
cry泣くThe baby cried loudly.
smile微笑むatShe smiled at me.
sighため息をつくHe sighed deeply.
hesitateためらうbeforeShe hesitated before speaking.

覚え方のコツ:感情は「自分の内側→外」への一方向。目的語を取らず at / before などで状況を補足する。


自動詞×前置詞の覚え方 = セットで覚えよう

go / arrive / laugh などが自動詞ということは分かったけど、その後にどの前置詞を付けるべきか忘れてしまうことがありますよね。

この対策として、私は自動詞は前置詞とセットで覚えるのが最も効率的だと思っています。

「go のあとには to」「arrive のあとには at」のように、2語・3語のチャンクで決め打ち暗記してしまいましょう。そうすれば文を書くときに前置詞を選ぶ手間が省け、そのあとの単語(目的地や場所)を考えることに集中できます

なぜ「到着する」arrive は自動詞なのか?

Arrive は「移動がゴールに到達して完結する」だけで意味が完了し、誰かが何かを到着させるわけではありません

したがって動詞の直後に目的語を置く余地がなく、目的地は arrive at the stationarrive in Tokyo のように前置詞句で後ろから補います

似た単語に reach 「到達する」があります。arrive とは対照的に、 reachreach the station と目的語を取る他動詞なので、両者をセットで覚えると混乱しにくいです。

自動詞まとめ:効率よく覚える 3 ステップ

  1. 自動詞に共通する特徴(目的語なし・前置詞で補足)を頭に入れる。
  2. 上記 4 グループの代表動詞をセットで覚える。
  3. それ以外の動詞は基本的に「目的語を取る=他動詞」と判断する。

こうして“代表的な自動詞リスト”を押さえておけば、英作文や会話で「前置詞を付けるべきか?」「目的語が必要か?」で迷う時間が大幅に減ります。

【他動詞一覧】用途別・意味別で覚えよう

他動詞英語の動詞の大半を占めます。目的語を直接取るのが基本形と考え、例外的に目的語を取らない動詞を自動詞として扱うと判断が速くなります。

  • 他動詞に共通する特徴
  • ① 行動・操作系の他動詞
  • ② 思考・認知系の他動詞
  • ③ 感情・意思系の他動詞
  • ④ コミュニケーション系の他動詞
  • 「訪れる」visit はなぜ他動詞になるのか?
  • 「議論する」discuss はなぜ他動詞になるのか?
  • 「結婚する」marry はなぜ他動詞になるのか?

他動詞に共通する特徴

他動詞は必ず目的語(何を?誰を?)を取ります。後ろに前置詞句が続く場合でも the book on the table のように、まず目的語が来てから説明が付く形になります。

また、受動態(be + 過去分詞)にしやすいのも他動詞のサインです。

受動態(be + 過去分詞)は、原則として他動詞(=目的語を直接取る動詞)からしか作れません。


① 行動・操作系の他動詞

動詞基本イメージ例文
make作るShe made a cake. / 彼女はケーキを作った
buy買うHe bought a car. / 彼は車を買った
open~を開けるHe opened the door. / 彼はドアを開けた
close~を閉めるPlease close the window. / 窓を閉めてください
hold握る・開催するShe holds a pen. / 彼女はペンを握っている
visit~を訪れるHe visited his grandmother. / 彼は祖母を訪れた

行動・操作系の動詞は後ろに必ず「モノ」や「人」が付きます。The door was opened のように受動態にしても自然に意味が通るのが特徴です。


② 思考・認知系の他動詞

動詞基本イメージ例文
know知っているI know the answer. / 答えを知っている
believe信じるThey believe his story. / 彼らは彼の話を信じている
remember覚えているShe remembers his name. / 彼女は彼の名前を覚えている
consider考慮するWe’ll consider your proposal. / 提案を検討します
find見つけるHe found a wallet. / 彼は財布を見つけた

思考・認知系では目的語に「情報」が入ることが多く、I believe (that)〜 のように that 節を目的語として続ける形も典型的です。


③ 感情・意思系の他動詞

動詞基本イメージ例文
like好きI like coffee. / コーヒーが好きだ
love愛するShe loves music. / 彼女は音楽を愛している
want欲するThey want a new car. / 新しい車が欲しい
preferより好むI prefer tea to coffee. / コーヒーより紅茶が好き
need必要とするWe need more time. / もっと時間が必要だ

感情の向け先が目的語として必須です。I like. だけでは意味が成立しません。


④ コミュニケーション系の他動詞

動詞基本イメージ例文
discuss~について話し合うLet’s discuss the plan. / 計画について話し合おう
explain~を説明するPlease explain the rules. / ルールを説明してください
marry~と結婚するShe married John. / 彼女はジョンと結婚した
reach~に到達するWe finally reached the summit. / ついに頂上に到達した
attend~に出席するHe attended the meeting. / 彼は会議に出席した

これらの動詞は「discuss about」「explain about」「marry with」「reach to」のような誤用が頻発します。基本的に前置詞を追加しない形を覚えましょう。


「訪れる」visit はなぜ他動詞になるのか?

Visit の行為は「人や場所を“直接”訪れる」ことが本質であり、行き先が動詞の対象(目的語)になるため他動詞扱いです。

I visited the museum. のように目的語がないと「どこへ行ったのか」が欠けて不完全になります。

「議論する」discuss はなぜ他動詞になるのか?

Discuss は「話し合いの対象を具体的に述べる」ことが目的なので、その対象を必ず目的語に置きます。英語では discuss the problem とダイレクトに対象を取り、前置詞 about を付け足す必要がありません。

「結婚する」marry はなぜ他動詞になるのか?

Marry は「配偶者という相手を得る行為」を表すため、相手そのものが目的語になります。She married John. で動作の相手(John)が明示される形が基本です。

また、受動態 be married to が使われるときは、主語を「結婚された側」と捉え、前置詞 to で相手を示しています。

自動詞と他動詞の両方で使える動詞一覧

同じ動詞でも、目的語の「ある/ない」で文型と意味が切り替わることがあります。ここでは 1 語で 2 通りに使える動詞を、

  • 意味がほぼ変わらないグループ(主語が自分で動くか、何かを動かすかの違いだけ)
  • 意味が大きく変わるグループ(文型が変わると訳語まで別物になる)

の 2 つに分けて整理します。

意味がほぼ変わらないグループ

主語が「自分で起こす」か「誰かが起こさせる」か、違いはそこだけです。

動詞自動詞 (SV)他動詞 (SVO)
openThe door opened.(ドアが開いた)He opened the door.(彼がドアを開けた)
changeThe weather changed.She changed her shirt.
moveThe car moved.They moved the box.
breakThe glass broke.I broke the glass.
startThe movie started.We started the movie.
finishSchool finished early.They finished the game.
flyBirds fly south.The pilot flew the plane.
ringThe bell rang.He rang the bell.
soundThe horn sounded loudly.He sounded the alarm.

これらの動詞は意味がほぼ同じ。「〜が◯◯する」(自動詞)か「〜を◯◯させる」(他動詞)かに注目し、主語と目的語の位置関係で覚えておくと迷いません。


意味がガラリと変わるグループ

同じ単語でも、自動詞として使うか他動詞として使うかで、文型だけでなく訳語までまったく別物になる動詞があります

ここでは、主語+動詞(SV)で使う場合と主語+動詞+目的語(SVO)で使う場合で意味が大きく分かれる代表例を紹介します。

動詞自動詞 (SV)他動詞 (SVO)
runHe ran 10 km.(走る)She runs a café.(経営する)
standThe statue stands in the park.(立っている)I can’t stand the noise.(我慢する)
serveThis knife serves well.(役立つ)She served dinner.(出す・給仕する)
drawThe train drew into the station.(近づく)He drew a picture.(描く)
passTime passed quickly.(過ぎる)He passed the ball.(渡す・パスする)

これ以外でも、同じ単語なのに訳語がまったく違って聞こえる動詞は、『自動詞/他動詞』それぞれの意味を辞書などで確かめてみてください。もしかしたらその単語も、ここに挙げたような“両用型” 動詞かもしれません。


動詞タイプをマスターしたら、次は「英語の5文型」へステップアップ!

「自動詞・他動詞を見分けられる=文型の土台ができた」今がチャンス。5 文型の記事では、SV から SVOO までの基本パターンをやさしく解説し、会話にどう活かすかまで丁寧にフォローしています。

まとめ:「前置詞 要る/要らない?」で迷わなくなる3ステップ

  1. 自動詞の共通点をインプット
    目的語を取らず、前置詞で場所や状況を補う——この特徴をまず頭に刻みましょう。
  2. 代表的な自動詞を4グループで暗記
    前置詞とセットでチャンク記憶すると、語順で迷いません。
    • ① 移動・変化
    • ② 状態・存在
    • ③ 天候・出来事
    • ④ 感情・反応
  3. それ以外は原則「他動詞」扱い
    動詞を見かけたら「例外リストにあるか?」をチェック → なければ目的語を直接続けましょう。この判断を習慣化すれば、英文作成のスピードが劇的に向上します。

この3ステップを実践することで、「この動詞、前置詞いるんだっけ?」という迷いは確実に減っていきます。ぜひこの方法で、動詞選択のストレスをなくしましょう!

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